2011年04月17日

こぁーのアトリエ


約半月遅れの新作紹介です。


■ オープニング ■

平穏な日常はいつも唐突に終わりを告げる。

某月某日、紅魔館の地下図書館で魔術実験の失敗による爆発事件が発生した。
といっても、それ自体は特に特筆すべきことではない。
魔法使いの実験というものはいつも危険と隣り合わせだから、あの泥棒魔法使いでなくても爆発事故というのは珍しいことではないのだ。
問題は、それが当初の予測を大幅に超過して、事故防止のために用意していた結界ごと周囲を破壊してしまったこと。
幸いにして図書館の本に影響はない。まぁ、ありとあらゆる対防御魔法を施しているのだから当然ではあるけれど。
半壊した図書館の被害は甚大だが、これも咲夜と小悪魔がなんとかするだろう。
……そんな風に考えていた自分の甘さを後悔するのは、きっかり一時間後のことだった。

破壊の跡も生々しい図書館から逃れて、食堂でティータイムに興じていた私に待っていたのは、レミィのお説教、……というか八つ当たりだった。
なんでも、破壊の衝撃に感化されたフランが地下室中を破壊して回り、今や紅魔館は砂上の楼閣、という有様らしい。
レミィも咲夜もついさっきまでフランの対応に追われていたようで、疲れ果てた様子を見せているのが一目でわかる。
道理でさっきからどこぞの迷惑な天人が訪れたかのように、地面が揺れていると思った。

当然ながら修理は一日やそこらでは済まず、咲夜や小悪魔だけでどうにかなる領域はとっくに超えていた。
ハイテンションになったフランの相手と紅魔館の惨状に、レミィの長い長い愚痴が続いて……

「あーあ、パチェのせいで散々だわ。どうしてくれるのよ」

最後に漏らしたそれはいつもの軽口だったのだろう。
本音ではあったのかもしれないけれど、本気で怒っているわけではない言葉。
だから、私はここで素直に謝っておくべきだったのだ。

「そうはいっても、この惨状の大半はフランのせいでしょう?」
「図書館に近い、地下室に押し込めているからそうなるのよ」
「ぱ、パチュリー様!?」

ぴしり、と空気が凍ったかと錯覚する。
それが失言だったと気付いてももう遅い。
彼女とて、好きで大事な妹を地下に押し込めているわけではないのだ。

「……そう、貴女の近くにフランがいるのが原因だって言うのね?」
「れ、レミィ……?」

口調だけは冷静なのが異様に怖い。
正直言って怒鳴られてグングニルの二、三本でも投げつけられた方がまだマシだった。

「どうやら私は客人を甘やかしすぎていたようだわ……」
「あ、あの、レミィ……。ご、ごめ……っ」

ゆらり、と顔を上げて紅い視線を向けられただけで、言葉を続けることはできなくなった。

「全額弁償しろとは言わないわ」
「……え?」
「けれど、貴女が破壊した図書館の修理代、貴女が集めに集めた魔導書を売って賄わせてもらうから」
「ちょっ! ちょっと待ってレミィ!?」

確かに今のは私が悪かったけれど、いくらなんでもそれは困る。
あの蔵書は私が百年かけて集めた命と同じくらい大事なものだ。
しかも大半の人間はその価値を理解できないだろうから、二束三文で売りさばかれる可能性が高い。

「安心しなさい、パチェ」

にこり、と、天使のように穏やかな微笑みを浮かべたレミィに、私はほっと息を吐く。
私はそれを、理解していたはずなのに。

悪魔というものはいつだって、天使のような微笑みを浮かべて近付いてくるのだ、と。

「一年だけ待ってあげる。それまでに、図書館の修繕費を出稼ぎしてきてもらえるかしら?」

……そうして、私は小悪魔と共に路頭に迷うことになった。
所持金は小悪魔がお小遣いとして豚の貯金箱に溜め込んでいた300銭のみ。
(ちなみに、基本的に無給の小悪魔がどうやってお金を溜めたのかは謎だ)
仕事どころか住むところさえ困る現状に、私は紅魔館の前でただ呆然としていることしかできなかった。

「だ、大丈夫ですよパチュリー様! 住むところとか仕事なら、同じ魔法使いのよしみで魔理沙さんに頼んでみるとか……」
「……魔理沙に頼るのは絶対に嫌」

あの泥棒に借りを作るなんてとんでもない。
それこそ、勝手に借りていかれた蔵書の数々を名実共に譲り渡すことになりかねない。

「で、でも……」
「…………絶対に、嫌」

小悪魔の言いたいことは理解している。
基本的に、引き篭もりの私に突然宿を貸してくれるような知り合いはいない。
……それでも、魔理沙に借りを作るのだけはごめんだった。

「わかりました……」

小悪魔を付き合わせるのは心苦しいが、こうなれば野宿くらいしか手段がない。
半ば諦め気味の私に、けれど小悪魔はあくまで強気に言い放つ。

「でしたら、次善策です」
「?」

そう言った小悪魔に連れられ、私たちが向かった先は……
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ラベル:東方RPG…?
posted by 水瀬 at 02:20| Comment(7) | 東方RPG | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年04月10日

寄り道動画



いい加減待たせすぎなので寄り道の動画を投降しました。
ただ、進捗の方は特に目立った進展はありません。まだ萃香イベント作成中…。
posted by 水瀬 at 16:38| Comment(2) | 東方RPG | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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